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最高裁判所第三小法廷 昭和39年(あ)1365号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人円山田作、同紺野稔の上告趣意第一点は、事実誤認および単なる法令違反の主張であり、なお(贈賄罪における贈賄の供与等の行為には、必ずしも完全な自由意思を要するものではなく、不完全ながらも、いやしくも贈賄すべきか否かを決定する自由が保有されておれば足りるものと解するのが相当である――昭和一〇年(れ)第一四二七号同年一二月二一日大審院判決、刑集一四巻一四三四頁参照)、同第二、三点は、事誤実認の主張であり、同第四点は事実誤認および単なる法令違反の主張であつて、いずれも上告適法の理由に当らない。

弁護人佐藤藤佐の上告趣意第一点は、事実誤認および単なる法令違反の主張であり、同第二点は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも上告適法の理由に当らない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官田中二郎 裁判官五鬼上堅磐 横田正俊 柏原語六)

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